天使と悪魔 中

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ミステリ7燃える3
ダン・ブラウン天使と悪魔 (中) (角川文庫)角川書店,2006
シリーズ感想
ダン・ブラウンさんの作品感想
時間制限があり協力も得られない中で、古の暗号に挑むラングドンとヴィットリアの動きにハラハラします。物語の速度は速くなってきました。
カラーの写真は、読んでからだとイメージが広がっていいですね。書庫の話題に絡んで、古文書の保管方法など新たな知識が得られて満足です。
土の事件で、ようやく焼き印の恐ろしさを知りました。これまでその調和のよさが分からなかったんだけれども。綺麗でその分ぐろいです。


ラングドンとヴィットリアは、頭がいいもの同士だけあってか、小気味よい会話がたまに繰り出され、にやっとしてしまいます。ラングドンは知的探究心がおおせいなところなど、荒々しい魅力も備えていますし。
また古の謎に挑戦していく過程で、ヴィットリアの魅力に気づかされます。危険なときほど恋に落ちやすく、冷めやすいとはいうけれどもさてさて。
あと、とある衛兵がカメルレンゴに対して行った、全能かつ慈悲深い存在である神への問いかけも興味深い。
キーリ(→シリーズ感想)に教えてあげたいな……と思いましたがが、考えてみたら教えたところで、「死んじゃえ」という答えは変わらないような気がしてきたのでなんとも。


科学要素は減少しましたが、推理の面白さが格段に増してきました。
教皇の話も飛び出し、謎を追えば追うほどに闇がひろがっていく印象。上巻で舞台の基礎説明が終わり、今回ようやく事件が動き出し、真相が明かされるのは下巻かな。ラングドンたちの安否も気になるところです。