たま◇なま ~あなたは、死にますか?~

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冬樹忍たま◇なま ~あなたは、死にますか?~ (HJ文庫 (ふ03-01-02))ホビージャパン,2007
シリーズ感想
冬樹忍さんの作品感想
なにやら難解なことを考えているなと思っていたら、トイレの紙がないと言うバカすぎる出だしに笑いました。全体的な印象としてもそう。簡単なことでも、考えること自体に嵌ってしまうと行動できないですよねという話。
恋人を殺して逃走中の欠片である殺人宝石を巡る話を横に置きつつ、由宇と透の生活が描かれています。シリーズ2巻目。


地球は私のことを考えていない」という切り返しなど、子供の精神レベルの癖に口だけは達者な由宇。お堅い言葉で難しいテーマを語っていたかと思うと、反転で入る子供のようなかわいらしい反応に思わず頬が緩みます。
面白耳掻きシーンも印象的。一瞬のネタとしてではなく、かなりのページ数を使って書かれているわけで。ここまでくると、お約束的な勘違いネタではなく、由宇の可愛さを存分に伝えるためにあるように思われます。
ただ、白黒犬の葬式など、理解できなくて不気味さを感じる場面もあります。同じ人間の形をしているのに、行動原理を説明できない恐怖。


由宇が人外の存在だからと捉えると、妙な方向へ走り始めるわけで。透がたどり着いた結論には、やられた〜と思いました。どんなに不思議な思考回路だったり超常的な能力を持っていようと、幼い子には違いない。何考えてるのか分からないのは、子供も一緒ですよね。
灯璃の壊れ具合は相変わらず、準備室のメンバーもイケてるし、透と由宇の周囲は面白い人ばかりですね。こんなノリがいい人ばかりなら、悪いこと考えられません。子供を育てるには、癖があるにしても魅力的な空間かな。