ダークエルフの口づけ 2

ダークエルフの口づけ 2  Amazon
ファンタジー4燃える4バトル2
川人忠明ダークエルフの口づけ〈2〉―ソード・ワールド・ノベル (富士見ファンタジア文庫)富士見書房,2007
シリーズ感想
川人忠明さんの作品感想
ベラが保安主任を務める会館に侵入者が堂々とやってくる……そんな幕開けの陰謀うごめくシリーズ2巻目。甘くて冷たい口づけの物語です。
初登場のクララは体力的な力はないものの、力を持っているから怖いな〜。まあ、それに驕っているようだったら短い命なのでしょうが、その辺りはわきまえている様で。
文字通り「毒の宴」で明かされる大人のマナーに関わる話にも戦々恐々。でも、クララとラミアに淑女のたしなみを教えられ、微妙に笑顔が歪んでいるベラはかわいい美人さんです。


アマデオが村を出たきっかけなども描かれています。ウリエラとのやりとりは胸きゅんきゅんで、アマデオのバカヤローと叫ばずにはいられないものです。大人ではなく子供っぽい熱さが感じられるので貴重なんですけどね。
ベラがかつて争ったミゼルも登場しますが、二人のやりとりにドキドキしました。命のやりとりなのに、なぜだか艶かしさを覚えてしまったのは私だけでしょうか。ゾクゾクした快感ってやみつきになってしまいそうだな。
敵役がいても、ほとんどが憎みきれないから歯がゆいです。例外もいるけれども、単純なやつはすぐに舞台から去るはめになっていますからね。……いやいや、アマデオが既にその例外中の例外かな。どうなるんだろう。


ある程度の裏切りは織り込み済みの物語ですが、それを上回るパワーがあるからいいです。一つの嘘を予想していると思わぬ方向からの騙しがあり、下衆な野郎だと憤慨していると畜生にまで落ちる。それが実に面白い。