アンダカの怪造学2

アンダカの怪造学(2) モノクロ・エンジェル   Amazon
癒し4コミカル3バトル3
日日日アンダカの怪造学(2) モノクロ・エンジェル (角川スニーカー文庫)角川書店,2005
シリーズ感想
日日日さんの作品感想
別世界からモンスターを召喚する、怪造が行われる世界を舞台にしたシリーズ2巻目。てっきり前巻でとんでもない能力をはっきした、空井の物語が始まるものだと思い込んでいました。
刀とともに育ってきた、舞弓という少女にスポットが当たっていたので驚きました。空井とは違ったタイプですが、同じく孤高の少女っぽい。
無残な死体として発見された、舞弓の兄の話をほのめかされ奇妙なゲームが舞弓に提案されるわけですが、途中で空井と出会ってからの展開がお好み。目的などが一切不明なゲームを乗り切ろうと、異なる性格の二人が互いに影響を与えながら壁を越えようとしている真摯な姿は安心できます。


補うだけの関係ではなく、異なる理想がぶつかり合うところは燃えました。二人とも折れたくないところは、トコトンまで妥協しないからハラハラします。もやっとした環境でもあるので、その分、解決策を編み出したときは一息つけます。ほんのつかの間ですけどもね〜。
あと、ボケ倒し続ける舞弓とそんな彼女を放っておくのがデフォの空井の会話も楽しかったり。また、長女の存在がミステリアスな美咲三姉妹や両眼を開きながら眠る屍丸など、ほとんど表に出てこないクラスメイトたちも相変わらず面白そうなやつらばかりですね。


虚無大公や校長の宇宙木などの、裏でこそこそちょこちょこ動いている大人たちが不気味です。厳しい現実に向かっても、なお理想を掲げていられる空井の強さは素敵なので、怪造学会の醜悪さに負けないで欲しいなー。


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