ゆらゆらと揺れる海の彼方

ゆらゆらと揺れる海の彼方  Amazon
ファンタジー4バトル3燃える3
近藤信義ゆらゆらと揺れる海の彼方 (電撃文庫)アスキー・メディアワークス,2004
近藤信義さんの作品感想


海獣と呼ばれる生物を繰り合戦を行う騎士団、陸と海の狭間にあると言われる冥界という特殊な場所の存在する世界が舞台。海獣が入り混じる戦闘は、男の子心がくすぐられますね。骨太なファンタジーです。
遊撃が得意な紫苑騎士団の隊長・ラシードと弟であり副団長のジュラ、そして記憶を無くした少女・ノウラが出会うことから、物語は動き始めます。ノウラを起点に次々と不思議な出来事が起こったり、ラシードとジュラの過去が明かされたりと盛りだくさんですよ。


ジュラとノウラがはめられる場面は燃えたし、ノウラとジュラの交流はあったかい気持ちになれました。カスパールやイーフェンといった旅の道連れも光る頼もしさを持っています。素直な一直線のベクトルを持ってるキャラクターが多く、すんなり入り込めます。そして、どっぷり入り込んでしまうわけで。
また、キャラクター個々人の動きも心躍りますが、国同士の戦略も気になるところ。今回の敵は小物っぷりが感じられたから比較的安心できたけど、まだまだ序の口の雑魚のようだから、これからもっと難しい壁に挑むことになるんだろうなと期待させられます。
キャラの魅力もまだ余力を残しているようだし、世界そのものにも面白い謎がありそうです。大きな風呂敷が広げられているので、どんなものが包まれていくのかとても楽しみです。


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