電波女と青春男

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ギャグ4癒し3燃える3
入間人間電波女と青春男 (電撃文庫)アスキーメディアワークス,2009
入間人間さんの作品感想


女子と他愛もない会話をすると一点など、自分で設定した青春ポイントの獲得に力を入れている主人公・真のお話。そんな真が転校し、叔母さん・女々の家で住むことになるのですが、そこの娘・エリオがぶっ飛んだ奴で。
布団にくるまれてるなんて、斬新過ぎて付いていけませんでしたよ。それだけで特異すぎる。また、エリオが喋りだすと会話を理解するのに一苦労です。嘘だらけもアレだけど、アレ以上に日本語になってないから読みにくいったらありゃしない。美少女じゃなかったら許されないなこれは。


学校にも、体はでっかくて凛々しいのに虚弱な前川さんなど、おかしな人はおりまして。サンドイッチのコスプレしてたり、ナスだったり目立ちすぎ。最後以外はほとんど真との絡みだけだったので、もっと他の人とも関係して欲しかったキャラナンバーワンです。面白そう。
かわいそうなのは、クラスメイトの流子ですな。普通っぽい感じで、でもそれは周りが変態さんばかりなせいで、実は意外にズレてました。まあこの程度が、ある意味よかったのか。「許容範囲内での奇抜さ」に納得です。


素でかわいいと思ってしまうのは、ギャップ萌えを目指す女々さんです。『今、会いに行きます』な女々さんかわいいよ。優しい隣のお姉さんに憧れる私がいます。お姉さんというにはちょっとお年が……ですが。
素敵に人の話を聞かない人だったりしますが、こんなに絡んでもらえて幸せ者だと思うんだがな〜。真がこっちに転べばいいと何度も思いました。なんで反応しないかなーと思っていたら、やっぱやってくれましたよ。「自殺ものの思い出」にゲラゲラ。そして、「女々さんが入っていた」は最高でした。


さてさて、変な人たちの生態系に目がいってる内に、いつの間にかエリオに対する真の態度が変化してたりも。エリオをどうにかしようと、青春ポイント目指しすぎですよ。無理に自転車漕いで、絶対に体を痛めているし。
でも、終盤の不機嫌なエリオも笑顔のエリオも、どちらも惚れ惚れするくらいよかったので、これを見れただけでも頑張ったかいがあったもんだ。ひねくれてるけど、折れたり途切れたりはしていない青春物でしたよ。


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