人類は衰退しました 4

人類は衰退しました 4  Amazon
癒し5コミカル5
田中ロミオ人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)小学館,2008
シリーズ感想
田中ロミオさんの作品感想
人類は衰退しても死んではいない世界を舞台にしたシリーズ4巻目です。にくとくにの話が収録されています。
ひみつのこうじょう」仕事の内容を知らずに集まった娘さんたちの反応が素晴らしい話。ジューシィ・チキンが出来る過程で大笑いさせてもらいました。このニクニクしい感じがよいですな。
ガムはおやつじゃないに共感したり、木箱の升目にコレクションされていく妖精さんがとってもプリティだなと、微笑ましい気持ちになりました。
さてさて、チキン騒動を追っていき秘密の工場で出くわした一斤さんが、またもや混乱の渦を巻き起こしてくれます。ありえないコメントにありえない行動の連続。ネガティブ絵本もいい味だしてます。合成食品的な意味で。いろいろとひどいオチでした。
ひょうりゅうせいかつ四暗刻単騎待ちができるくらいに妙な形で増殖してしまった妖精さんを巡るお話。亡命を希望する妖精さんたちと共に、里を離れて暮らすことになります。
国づくりに精を出すことになるのですが、勢いとニュアンスで行動する妖精さんと本能の赴くままに行動する女王様がコンビを組んでまともにいくはずもなく。しちゃっかめっちゃかとはこのことですね。
ときどきのぞく妖精さんの鬱症状が新鮮でした。いつものポジティブどこいったって感じでしたからね。つぶらな瞳でシュールなこと言われても困りますがな。「……かぞくが、なんびょうにかかっても、おなじこという?」が私の心に一番効きました。
最後のおじいちゃんからの鉄拳制裁がよかったな。ぽわぽわしつつもどことなく成長があるようなそれでいてないような安心できる雰囲気でしたよ。