〈本の姫〉は謳う 2

〈本の姫〉は謳う 2  Amazon
ファンタジー5燃える3シリアス2
多崎礼“本の姫”は謳う〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)中央公論新社,2008
シリーズ感想
多崎礼さんの作品感想
特殊な本である「姫」と本の持ち主であるアンガスの話、そして聖域の住人・アザゼルの話が入れ替わり登場する物語。故郷での話を読んでいると、アンガスによくがんばったと声をかけたくなりました。どちらも故郷を思ってのことだけに、やるせないのです。人間って愚かだな。
アンガスが家族と離れるきっかけとなった話は辛かったですね。兄のケヴィンや地図屋を目指すウォルターとアンガスが交わした、2つの約束が切なさを倍増させてくれやがります。


セラの待つバニストンに戻ってきたアンガスですが休息する間もなく、本に関してもセラに関しても大きく話は進んでいくことになります。セラの行動に戸惑うアンガスにニヤニヤしつつも、物語自体は緊迫感漂うものとなっていますよ。
終盤は色んな事実が出てきたなー。非常においしい場面で待ったをかけられているアザゼルとリグレットは一体どうなるんだろう。また今回はアンガスの過去が描かれていたけれども、次回は姫の秘密が明かされたりするんだろうか。非常に気になりますぜ。