サークル・マジック 〜サンドリと光の糸〜

サークル・マジック 〜サンドリと光の糸〜  Amazon
ファンタジー7癒し3
タモラ・ピアス『サークル・マジック―サンドリと光の糸 (ルルル文庫)小学館,2008
シリーズ感想
タモラ・ピアスさんの作品感想
暗闇で一人隠れていた貴族の娘・サンドリ、嵐により沈んだ船で一人生き残った交易の民の娘・ダジャ、窃盗を繰り返し裁判にかけられていた少年・ブライアー、周りに災いを撒き散らす商人の娘・トリス。
そんな子供たち四人が、隠れた才能を見つけ出す魔法使い・ニコに導かれて、ワインディング・サークル学院のディサプリン荘で暮らすことになる物語。deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。


サンドリは積極的に仲良くなろうとするものの、他の三人の癖が強すぎてなかなかうまくいかないところは歯がゆがったです。でも、辛抱強く指導してくれる大人がいてよかったな〜。ニコの大人っぷりは見ていて本当に安心できました。わりと寡黙だけれども、頼れる雰囲気が伝わってくるのですよね。
ディサプリン荘の監督者であるラークとローズソーンも忘れてはいけません。ローズソーンは絞り込んだような性格が記憶に残ってしまうし、対照的にラークは奇天烈さはないものの、「ヒツジは逃げ出しても、羊毛は逃げ出したりしないわ」など穏やかな語り口が素敵です。


瞑想を行うシーンは期待も膨らんでわくわくしました。また、それぞれが自分の特性に合わせた能力を知ろうと四苦八苦したり、不器用ながらも手を取り合おうとしていく姿が輝く糸のように眩しかったですよ。これは続きも楽しみです。


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