神様のおきにいり

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癒し6コミカル4
内山靖二郎神様のおきにいり (MF文庫J)メディアファクトリー,2006
内山靖二郎さんの作品感想


家神の珠枝と家主の智宏、そして愉快な仲間たちの物語。たんころりんや縛鎖の小人など、イラストもあわせて愛らしい妖怪たちが満載です。
もちろん一番かわいいのは珠枝でしょう。Tシャツ+スパッツ+くたびれうさぎリュックを装備したちんまい珠枝の挿絵には、胸の辺りがきゅーってしちゃいましたよ。また智宏を手玉に取る、大人っぽい表情の珠枝も魅力的なのがよいですな。罪作りな神様です。


それにしても、珠枝と智弘の関係には憧れちゃいますね。子ども扱いされるのを嫌がりつつも、Tシャツ一枚の姿に慌ててみたり、妖怪が見えるようになるおまじないでドキドキしたりと……くぅ〜。
自販機で飲料水を買うシーンで垣間見えた、二人の信頼関係は本当に羨ましい。ここは痺れましたよ。って、今気づいたけれども、タイトルが表記されているカラーイラストのページでも缶コーヒーが出ていたのねー。


クライマックスでは、ぞっとするほど真剣な表情の珠枝や智宏の過去が絡められていきます。この最後はすばらしいな。安心しすぎて思わず涙が出てきそうになっちゃいましたもん。ぎりぎりで食い止めましたが。
コミカルなキャラたちがどんちゃん宴会騒ぎをしつつも、しんみりと酒を酌み交わすこともあるわけで。なにからなにまでこの世界が好きになっちゃいました。私のおきにいりが、また一つできましたよ。


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