ほうかご百物語 3

ほうかご百物語 3  Amazon
コミカル5萌え3燃える2 <ピックアップ3>
峰守ひろかずほうかご百物語〈3〉 (電撃文庫)アスキー・メディアワークス,2008
シリーズ感想
峰守ひろかずさんの作品感想
イタチさんと愉快な仲間たちが、のんびり妖怪退治するシリーズ3巻目。前巻の引きを受け、温泉宿にいつものメンバーが集合します。温泉宿ならではの「あはん」で「うふん」なお約束も、もちろんあり。
真一は衝撃を受けた風景をいつでも思い出せるらしいからいいな〜。でも、衝撃は少なくなってしまうから、逆に大切にとっておくのかしらん。ならイタチさん以外の……。失礼しました。


一つのことに集中してしまうと他に目がいかなくなる真一の性格は相変わらずです。照れるイタチさんの姿は眼福ですな〜。ご老人と真一の褒めあい対決もおいしゅうござんした。恥ずかしげもなくあそこまで言い切れるのってかっこいいよ。
また、天邪鬼の話では真一の能力が遺憾なく発揮されていました。天邪鬼と対面したときには、変態の真骨頂を見せてくれました。ライカの力を借りた場面でも、人間がやるべきでないことをやってのけます。
そんな風に真一が押せ押せだから、イタチさんがちょっと引っ張られちゃうと途端に妖怪ニヤケが増殖します。屋上でのシーンでは、真一とイタチさんが素敵な空間を生み出していました。妖怪も驚きの閉鎖空間ですよ。


御崎先輩のにぎやかしさもちょうどいい湯加減。突っ込んで欲しいところはちゃんとつっこんでくれるし、ぼけてくれるし、そっとしておいてくれるし、適当にほっとかれるし〜。すごく安心できる距離感です。
そんな彼女に付き合う江戸橋さんも大変だけれど、なかなかいいキャラになってきたかも。特に前回ライカにとり憑かれた辺りからでしょうかー。温泉での騒動に真一と一緒に巻き込まれたのもグッジョブ。さすがロリコンだ。
そこはほら、天狗だからね」とさわやかに流す奈良山や、そろそろ「めがっさにょろーん」とか言い出しそうな新井さんのポジションも好きやわー。


声真似や逆転の秘策を思いつく場面、稲葉先生そしてセーターとこまめに伏線が張ってあって好印象。これのおかげで、それぞれの短編にもつながりが感じられましたし。全体的な空気の流れが、これまで以上に伝わってきてワクワクしましたね。次回も期待していますよー。