暁天の星

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コミカル4ミステリ4ホラー2
椹野道流暁天の星 鬼籍通覧 (講談社文庫)講談社,2008
椹野道流さんの作品感想


法医学がテーマでなおかつ作者の椹野さんが現役の女医法医学者ということで、どれだけガチガチなお話が繰り広げられるかと思いきや……個性的なキャラが多く出てくるわりとコミカルな話でした。同期の子に薦められたので読んでみました。
研究室のメンバーは、朝に弱くシルバーアクセを身に着けた医者の卵である主人公・崇を筆頭に、ヤンキーみたいな姉ちゃんのミチルや若くて川柳が好きなのらりくらりの若い教授・都築などなど。
幼い顔立ちでかつ小柄だけどナイスバディな秘書のネコちゃんもいます。性格はなかなか破天荒で語尾に「にゃあ」とかどんだけー。


第一章は崇の初めての解剖の際に、絞殺死体に不審な点をみつけたミチルが謎に首を突っ込む話。真相にはちょっとへこみましたね。
二章以降は、突然発作でも起こしたかのように不思議な行動をして亡くなった死体の謎に挑みます。同じような不気味な死体が続くし、妙な関連はみつかるしで謎は深まるばかり。


鑑定書の書き方とか詳しく描かれていてその辺りも興味深いですが、死体を扱っているのにそこまで重苦しい雰囲気にならずにいられるキャラがよかったな〜。各章の間にキャラが飯を食う場面が挟み込まれているのですが、それも面白かったですよ。
覚えの悪い弟を持ったお姉ちゃんのようなミチルが素敵ですね。ミステリ的な展開とキャラの掛け合いでぐいぐい読んでいたのですが、最後にやられました。あとがきにも書かれているけれども、ミステリじゃないのでご注意を。シリーズ物らしいので、今後ラブ寄せはあるのかしらん。


この小説が好きな人にお勧めする3
1 チーム・バチスタの栄光  Amazon2 検死官  Amazon3 使命と魂のリミット  Amazon
1、海堂尊さんの小説『チーム・バチスタの栄光』軽快な会話の応酬が魅力な手術室でのミステリ。→感想
2、パトリシアコーンウェルさんの小説「検死官 シリーズ」同じく検死官ということで、この固い雰囲気を想像していました。
3、東野圭吾さんの小説『使命と魂のリミット』病院に脅迫状が届くミステリ。意外に熱いです。→感想