人類は衰退しました 3

人類は衰退しました 3  Amazon
癒し7コミカル3
田中ロミオ人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)小学館,2008
シリーズ感想
田中ロミオさんの作品感想


衰退し始めた人類とゆるゆるな妖精さんとの会話が魅力的なシリーズ三巻目ですが、今回は妖精さんのふわふわ成分が少なめです。
といいつつ、最初の助手さんが作った絵本の結末には吹いた。このギャップはもうごちそうさまです。少年少女科学倶楽部の面々にも笑いました。いや確かに言葉に間違はないと思うけども。


妖精さんのマニュアル本も痒いところに手が届く内容でよかったです。面白いし、なによりためになりました。漠然としてたものが把握できたときの新鮮さがありました。
遺跡の中を探検するのですが、無口な助手さんとのコンビで、妖精さんも出てこないから、主人公の独り言もなんか寂しいです。何気ない言葉の羅列や矛盾しても気にしない文章がお気に入りだったのですが、中盤はあんまり出てこないのですね。


記憶喪失の少女と出会ったり、妖精さんと掛け合いが始めるとようやくいつものシリーズらしいなと思えてきました。
今巻は最後に罰として醜い姿にされてしまったりと、いつものゆるゆるレールからちょいと外れてしまった感じです。助手さんの絵本にも乱丁があったけど、この物語自体にも「乱丁のあった様な」感じですな。
もちろん乱丁ではなく作者の意図があるわけで、これはこれで味があって面白いですよね。最後は戻ってくるわけですし……絵本の結末も穏やかで平和なものになっていますよ。


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