安楽椅子探偵アーチー

安楽椅子探偵アーチー  Amazon
ミステリ4癒し4シリアス2
松尾由美安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)東京創元社,2005
松尾由美さんの作品感想一覧


drunkershighさんの感想(2巻)を読んで手に取りました。小学5年生の衛が誕生日プレゼント代をもらいゲームを買いに行ったはずが、人の言葉をしゃべる不思議な安楽椅子・アーチーを見つけてしまう話。
衛はアーチーが思考するようになったきっかけである、二番目の持ち主を探して欲しいと頼まれます。また同時に、アーチーの名付け親でミステリが好きな芙紗に巻き込まれるように衛も妙な事件に遭遇することになります。


宇宙人とあだ名されているクラスメイト・中西が被害にあう密室事件である「首なし宇宙人の謎」事件が事件だけに嫌な雰囲気でしたが、最後は納得のいく話でよかったー。一番好きな話。
クリスマスの靴の謎」かたっぽだけの靴の謎と美少女バイオリニストの小さな事件が絡み合う話。少女と芸術家はともかく、なんとも妙な気分になりつつも、最後のアーチーの言葉に救われたかなー。
外人墓地幽霊事件」衛たちが訪れた外人墓地の看板にピンクのチョークでいたずらがあり、それと謎の女性とが絡んでくる話。推理過程は楽しかったんだけど、結末はなんとも。やるせなす。
そして最後は「緑のひじ掛け椅子の謎」でアーチーの過去の話が関係してきます。


最初は安楽椅子が安楽椅子探偵をするという奇抜な設定に興味を持ちましたが、このアーチーが衛の成長物語としていい味だしてます。
謎に首をつっこみ酸いも甘いも知ってしまうことが小学五年生の少年にとっていいことなのか私には判断できませんが、でもアーチーがついていれば大丈夫かなと妙に安心できました。よかったです。