楽園 上

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ミステリ5シリアス5
宮部みゆき楽園〈上〉文芸春秋,2007
宮部みゆきさんの感想一覧




模倣犯』の事件から9年後の話。模倣犯は映画でしか見たことないです。頭爆発以外、実はあまり覚えてない……。
そんなわけで、9年前の連続誘拐殺人事件に関わったライターの滋子が主人公です。未だに過去の事件を引きずっている状況で、千里眼という単語が飛び出すような、妙な事件に関係していくことになります。
関わりたくないはずなのに、徐々に深みにはまっていく滋子は興味深いですね。この辺り原作既読だとさらに面白かったかも。過去の事件は今回当たることになる出来事と関連性がないとはいえ、心の動きで深いつながりがありますから。ある程度は補足されてるんだけれども。


調べていくうちにどんどん登場人物は増えていくのですが、依頼人でもある敏子の家族の話はちょいと腹が立ちました。また、物語終盤に重要人物が出てくるのですが、明るく生活しているようで驚いたな〜。
逆に真面目そうに見えていた人たちが暗い過去抱えていそうで怖いですな。もちろん、事件の加害者である両親がなにを考えていたのかは一番気になるところ。
分厚いし上下構成だけれども、随所随所で気になる要素が散りばめられているのでとても読みやすいです。下巻が楽しみじゃ。


この小説が好きな人にお勧めする3
1 模倣犯  Amazon2 犯人に告ぐ 上  Amazon3 破線のマリス  Amazon
1、映画『模倣犯』前作は読んどいた方が楽しめるんでしょうね……。
2、雫井脩介さんの小説『犯人に告ぐ』手痛い失敗をした刑事の話。→感想
3、野沢尚さんの小説『破線のマリス』テレビの恐怖を描いた作品。→感想