名前探しの放課後 上

名前探しの放課後 上  Amazon
ミステリ4癒し3シリアス3
辻村深月名前探しの放課後(上)講談社,2007
辻村深月さんの作品感想一覧



恋愛などにしてもどこか本気で打ち込んでいないような雰囲気を持つ「依田いつか」が、三ヶ月前に飛ばされてしまう物語。「いつか」の記憶には三ヵ月後に学校の生徒が自殺するという記憶が残っており……。
文化祭でタイムマシンの研究をやっていたクラスメイトの少女「あすな」やいつかの数少ない心の許せる友人で人当たりもよい「秀人」、そして秀人の彼女である「椿」果ては秀人の親友であり天才という言葉が似合う「天木」などのメンバーが、おぼろげないつかの記憶だけを頼りに自殺を止めようと奮闘します。


天木がいい性格してて、眺めていてとても楽しいですよ。タイムスリップなんて信じないけども、とある条件を飲むなら手伝ってやるとか、ここまで言い切ってしまうと尊敬しちゃいますね。
椿も芯がしっかりしていて好感が持てます。イソップ童話のオオカミ少年の話のくだりとかいいな。
あすなも全体的にほんわかで好き。読むわけないだろうと思っていつかに貸した本の感想を述べたときの「全部、読んだの?」の驚きとかかわいいなー。それに、サマー/タイム/トラベラーとかチョイスが憎いですな〜。


今後どんな展開が待ってるのか分かりませんが、この巻だけでもメンバーがわいわいやってて楽しい雰囲気を味わえます。ちょっと影があって、またそこにも惹かれるんだけどもさ。安心して読めるのですよ。


この小説が好きな人にお勧めする3
1 スロウハイツの神様 上  Amazon2 サマー/タイム/トラベラー 1  Amazon3 幽霊には微笑を、生者には花束を  Amazon
1、辻村さんの小説『スロウハイツの神様』クリエイターばかりが集まったアパートの生活。→上・下感想
2、新城カズマさんの小説『サマー/タイム/トラベラー』タイムリーパーな少女を巡るひと夏の物語。→1・2巻感想
3、飛田甲さんの小説「幽霊には微笑を、生者には花束を シリーズ」怪奇現象を推理する話。→シリーズ感想