遠まわりする雛

遠まわりする雛  Amazon
ミステリ5癒し3シリアス2
米澤穂信遠まわりする雛角川書店,2007
シリーズ感想一覧
米澤穂信さんの作品一覧


省エネ人間・ホータローを探偵役にした古典部シリーズ初の短編集。時系列順に並べられているのかな。七編収録されています。


やるべきことなら手短に」入学二週間後辺りの話。女郎蜘蛛の会の勧誘メモが校内のどこに掲示されているのか推理していくことになります。省エネしようとして余計に力を使っているような気がするのは私だけでしょうか。
大罪を犯す」先生が授業を行うページを誤ってしまった謎に迫る話。からかわれる千反田がよかったし、つい出来心で出てきたホータローを驚かせた一言が激ラブ。
正体見たり古典部の四人が合宿先とした選んだ温泉宿で首吊の影をみる話。なんか謎解きよりも、千反田の最後のつぶやきがやけに印象に残っています。
心あたりのある者は」不思議な校内放送の謎に迫る話。アンソロジーで以前よんだことあるので、感想は割愛。(そのときの感想
あきましておめでとう」閉じ込められたホータローと千反田が脱出しようとする話。最初にタイトルだけ見ていたときは、どんな意味か見当がつきませんでしたよ。大声を出せない理由ににやっとしてしまいましたね。なんともかわいらしい話でしたな〜。こういうの好きです。
手作りチョコレート事件」思ったことを口にしてしまって後悔する伊原がキュートではあるんですが、その伊原特製のチョコレートが盗まれてしまう話。ゲームが出てくるのでシューティングかと思ったら格闘でした。ほろ苦です。
遠まわりする雛」ひな祭りの日、雛である千反田に傘をさす役目を務めることになったホータローの話。ひな祭りの行列が手違いから本来の道のりを遠回りすることになってしまい、またその理由が不思議なものだったので千反田が気にならないわけがなく。最後、ホータローが告げられなかった一言にワクワクしちゃったなー。


古典部の皆さんは本当に回りくどいというか遠回りする人たちばかりだな〜。もっと素直になれば楽に生活できるのに。まあ、それがらしいんだけどもさー。それに、いくら遠回りしてもゴールできればそれでいいし……ってゴールって何だ?