オトナの片思い

オトナの片思い  Amazon
恋愛10 石田衣良『栗田有起『伊藤たかみ『山田あかね『三崎亜記『大島真寿美『大崎知仁『橋本紡『井上荒野『佐藤正午『角田光代『
オトナの片思い角川春樹事務所,2007


若い男で遊ぶ女性の話。コース料理を食べながらの会話が描かれているのですが上品な感じ。石田衣良さんの「フィンガーボール」恋をするとお腹を壊してしまう女性の話。お腹を下すことをかわいらしくアレンジした言葉がリリーなわけで。栗田有起さんの「リリー
芥子色のソファで眠る猫と、料理に無頓着なのにカレーにだけこだわりをもつなど、つかみ所がない男との生活を描いた話。伊藤たかみさんの「からし」腕のいいカメラマンに異国の地で惹かれてしまった女性ディレクターの話。山田あかねさんの「やさしい背中
イラストレーターの女性が「影無き者」の男性に思いを寄せてしまう。三崎亜記さんの「Enak!」結婚するつもりでいたのに、突然別れを告げられてショックを受けたこともある女性の話。課長という立場であるものの、新入社員の男の子に恋してしまってキュンキュン。大島真寿美さんの「小さな誇り
便座カバーの取り付けにも困ってしまう男性と離婚した元妻の話。大崎知仁さんの「ゆっくりさようなら」離婚して働きに出た先で年下の男と出会い料理を振舞ったりする話。橋本紡さんの「鋳物の鍋
奥さんと一緒に暮らすために戻った職場仲間のシゲさんを追い、島まで行ってしまう話。井上荒野さんの「他人の島」強引に注文した鰻重の配達で事故を起こしてしまったことから始まる話。佐藤正午さんの「真心
おろしカツ定食を食べることにも躊躇いを覚えなくなった女性の話。角田光代さんの「わか葉の恋


どれも短い作品なんだけれども、石田さんの作品はやはり上品な都会の感じがするし、三崎さんの作品はちょっとSF風味の不思議な感じだし、橋本さんは料理も絡んできますし、佐藤さんの作品は劇的なのに淡々としているなど特徴がありますね〜。そう思って読んでるからかも知れませんが。
オトナの片想いといっても千差万別あるようです。しいて言うなら、がっつりいかないという傾向はあるようですけれども。
角田さんの作品が一番好きかな。ふとしたきっかけで同じわか葉というお店に通う年下の客に、恋心を覚えて戸惑う主人公がよかったです。お店の名前がわか葉だからでしょうが、カツがきっかけの恋だから三つ葉の恋でもいいとか、どうでもいいことを思ったりしたのは内緒。


石田衣良さんの作品感想
栗田有起さんの作品感想
伊藤たかみさんの作品感想
山田あかねさんの作品感想
三崎亜記さんの作品感想
大島真寿美さんの作品感想
大崎知仁さんの作品感想
橋本紡さんの作品感想
井上荒野さんの作品感想
佐藤正午さんの作品感想
角田光代さんの作品感想