つきこい

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山科千晶つきこい (電撃文庫)メディアワークス,2007


ジャケ買いです。買ってからよく見たら高野さんじゃないですか。そりゃ買ってしまいますよ。中編二つと間章が収録されています。
モーニング・ムーン」霧の濃い真冬の都会で父親を待つ少女が、急に現われた少年に話を聞かせるという出だしです。
つきこい 続・月下少年」バンドをやりつつもいまいち将来を見通せずにいる新谷が、ハチ公前の交差点で月を見上げているイズミという女性に惹かれる話。遠くから光見ているだけの存在だったはずが、衝撃的な出会いから徐々に接近していきます。
謎の多い女性であるイズミは大人の魅力満載でドキドキしてしまいますが、気ままに新谷を連れまわすなど計算高いところもあるミヤコも、悪女っぽいけどかわいいと思う。
月下少年」つきこいの過去話。月を見上げていたトキと名乗る少年と出会ってしまった高校生・イズミは主人公です。イズミさんの高校時代を見れて満足かも。大人のときとのギャップがお好み。
イズミとの会話がメインですが、トキの言動は直球でずけずけと問題に切り込んでくるのでなんか頼もしいな。もうちょっと落ち着けと言いたくはなりますが、仕方ないか。ちょい切ないです。


「月下少年」ではファンタジー要素が絡んできますが、私は「つきこい」のが好きです。ストレートな話の分、月夜のデートみたいな雰囲気に身を任せられたので〜。
人間ってちょっとしたことで成長したり、魔が差してしまったり、恋してしまったりと忙しいですね。イズミではありませんが、これらが全部脳の働きだとは思いたくないですよ。月の魔力のせいだっていうトンデモな方が説得力あると思う私は、夢見すぎでしょうか。


山科千晶さんの作品感想


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