本当はエロい文学少女

“文学少女”と死にたがりの道化  Amazon
萌え⑪鬱⑪ギャグ⑪
野村美月“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)エンターブレイン,2006


太宰治の『人間失格』が絡んでくる物語。ちなみに『人間失格』を読んだときの感想はこちら。以下、ネタバレ全開なので、未読のかたはご注意ください。



スカートの奥が見えそうでみえない遠子先輩がエロいです。そんな遠子先輩に、主人公の心葉は半ば強引に文芸部へと拉致されます。
遠子先輩は、放課後に二人きりの部室で「むぐむぐ、こくんっ。」なんてかわいらしい音をたてながら、心葉くんのモノを美味しそうに食べます。
ソレはちょっと泥の味もするそうですが、そんな苦味もよいらしいです。私も作り出すことは作り出しますが、食べたことはないから味は分かりかねます。
心葉くんがラストスパートに励んでいるところへ、千愛ちゃんという妹タイプの少女がパンツを見せながら乱入してきて、物語は動き始めます。


クマパンツをはいてるものの、千愛ちゃんは意外に策士。遠子先輩は親切に対応するものの、千愛ちゃんに嘘をつかれ騙され手のひらで踊らされた挙句、軽く百人以上はいるオーケストラ部の部室でストリップを行うことになります。気丈な遠子先輩もさすがに心細かったのか、心葉をその場に連れて行くわけですが。
遠子のヌードをじっくり鑑賞してあげてね」なんて言葉も飛び出しますが、言われなくてもみちゃいますよね。つるぺただろうが関係ありません。
靴下を脱ぎ、三つ編をほどき、シャツのボタンをはずし始める遠子先輩。いつもの子どもらしさとは違う大人の色気には、心葉じゃなくても思わず唾を飲み込んでしまいますよ。
最後は冷静さを失ってしまい、涙目で叫ぶなんて醜態を晒してしまう遠子先輩……。しかも、この遠子先輩のストリップ姿は記録されているわけだから、もう鬼畜としかいいようがない。


でも、千愛ちゃんも結局はSの奴隷だったんだよね。教室でも部活動でもSからは逃れられない羞恥地獄。Sが言い触らしみんなにばれるかも知れないという恐怖と羞恥に、震えが止まらない千愛ちゃん。
そんな目にあいながらも、千愛ちゃんはSから離れたくないと思っているだよね。普通の人間である私には分からない世界です。


重苦しい雰囲気が続くけれども、優しい結末がまっているからまあいいかな。心葉と遠子先輩のラブラブで締めくくられるんだから。
もっとも最後は、遠子先輩が絶頂に達して何も感じなくなっているとはいえ、やんちゃし過ぎだと思うけどもね。正気に戻った遠子先輩に、スカートの裾を直させながら「お尻痛い」なんて言わせたらダメでしょ。