投資アドバイザー有利子
幸田真音『投資アドバイザー 有利子 (角川文庫)』角川書店,2005
中堅の証券会社で、個人投資家へのアドバイスをしている有利子を主人公にしたお話。
二千五百万円を一週間で倍にして欲しいと頼まれる「第一章 プット・オプション」デイ・トレーダーの悲喜劇を描いた「第二章 デイ・トレーダー」有利子がヘッドハンティングされた会社で巻き込まれる事件「第三章 ヘッドハンティング」有利子の過去を巡る最終話「第四章 ライク・ア・バージン」
リスクをとらずに利益を上げて欲しいという無茶な注文をされたりししつつ、お客様がどうしてそんな注文をしてきたのかなどを絡めながら話は進んでいきます。下手をすればお客様に大損をさせてしまう自分の仕事について、有利子が悩んだりも。
といっても小難しい話やシリアスさはほとんどありません。キレるとお客相手でも言いたいことをいってしまう暴虐さをも備えた有利子を初め、ちょっと変な上司のオカマンや敏腕トレーダーである彼氏の坂上など個性的なキャラが登場しています。
彼女たちが株式のごとく激しく動きまくるので、読んでて楽しい気分になってくるんですよ。物語自体もコミカルで痛快ですからね。人生は株式のごとく波乱万丈ですな〜。
この小説が好きな人にお勧めする③
①石田衣良さんの小説『波のうえの魔術師』とある老人と株式の話。→感想
②山田真哉さんの小説『女子大生会計士の事件簿』萌ちゃんと簿記の話。→感想
③浅井信吾さんの漫画『M.I.Q.』高校生と株の話。