イヴは夜明けに微笑んで

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ファンタジー④燃える④癒し②
細音啓イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)富士見書房,2007


deltazuluさんの感想を読んで手に取りました。第18回ファンタジア長編小説大賞・佳作受賞作。『赤』『青』『黄』『緑』『白』を基本とした召喚術名詠式と呼ばれるものが存在する世界が舞台。
虹色名詠士と夜色名詠士を目指す少年と少女の物語であり、トカゲみたいな生物を肩に乗せているネイトと将来の明確なビジョンをもてないでいるクルーエルの物語です。


呼び出すものを招く際に用いられる賛美歌などの設定がいい感じ。オーソドックスなんだけど古臭さがなくてかっこいいんですよ。
クルーエルやネイトが所属する学園のコンクールで大きな事件に遭遇することになるんですが、学園長を初めとして先生たちもちょっとずつ見せ場があって燃えるんだよね〜。心沸き立ちます。もちろんネイトやクルーエル、友人のミオもね。
自分の色を見つけようと苦心する辺りは楽しくて仕方なかった。特別な色ではなくても、それぞれが少しずつ違う、自分だけの色で魅せてくれるのがいいなー。


もっとも、ダントツで光り輝くのはやはり約束しあった少年と少女でしょうね。もう綺麗な結末と合わせて素敵過ぎです。コートの話とかもきゅんきゅんする。
うん、とっても面白かった。とりあえず完結しているものの、続きもあるようなので期待してます。

細音啓さんの作品感想


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