少年検閲官

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ミステリ⑧シリアス②
北山猛邦少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)東京創元社,2007


検閲を通ったラジオだけが唯一の情報源という退廃的な世界が舞台。全ての本は焚書の憂目にあっているので、もちろん『ミステリ』なんてものは消失しています。
主人公の英国少年・クリスが訪れた日本のある村で首なし死体が出現し、少年検閲官・エノと出会うことで物語は動き始めます。毎度毎度思うことですが、北山さんってほんと、人間を物体としか捉えてないですよね〜。
森に住んでいる『探偵』だとか幽霊だとか赤いペンキで塗られた十字架だとか、不可思議な出来事がこれでもかと詰め込まれていましたよ。なんとも寂しい世界設定と合わせて、嫌な感じが払拭されることは全体を通してありませんでした。
途中で『ガジェット』というものが出てくるんですが、この設定が面白い。シリーズになったらこの辺りが魅力的になってきそうです。キャラクター性も高いんで、クリスとエノのラブっぷりにも期待。男同士だけどさ。
まあとりあえず、私はこの世界じゃ生きていけないと思います。本を取り上げないでください。お願いします。


北山猛邦さんの作品感想


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