夜は短し歩けよ乙女

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恋愛⑦コミカル③
森見登美彦夜は短し歩けよ乙女角川書店,2006


天然の女の子と彼女に恋する先輩の京都を舞台にした話。章タイトルはもじりかな? 二章と四章の元が分からないけど。


第一章 夜は短し歩けよ乙女」酒を飲み歩く「彼女」と、「彼女」の後をつけまわす「先輩」の話。以前読んだことのある話です。(→感想)おともだちパンチなんてのもあったな〜。
この話で出てくる羽貫や樋口、李白老人などはこの後の話でも何度も登場しますよ。「彼女」のお乳をもみまくる東堂もそうですね。私も「彼女」のお乳揉みたい。
前に読んだと書きましたが、以前とは随分違って感じました。なんかやたらと「彼女」の行動がキュートに感じましたから。天然娘っていう先入観のせいですかね。読書にとっても第一印象って重要ですな〜。


第二章 深海魚たち」古本市を歩く「彼女」と「彼女」の後をつけまわす「先輩」の話。ちょっとしたことで感動したり怯えたりする「彼女」がとってもプリティ。
自称・古本市の神様と「先輩」のやりとりも面白いです。古本の神様にやりこめられていたり、奇妙な鍋対決で「彼女」のために奮闘する「先輩」もなんかかわいいと思えてきました。


第三章 御都合主義者かく語りき」学園祭を練り歩く「彼女」と「彼女」の後をつけまわす「先輩」の話。ピュアな恋物語があったり謎のパンツ総番長が登場したりと迷走します。
韋駄天コタツとか偏屈王が跋扈する学園祭ってのも楽しそうだ。ぜひ参加してみたいもんです。「彼女」のビスコっていう主張は笑った。もう頭をなでなでしたくなりますね。


第四章 魔風邪恋風」風邪の見舞いのために歩く「彼女」と寝込んでいる「先輩」の話。「彼女」との関係に悩み始める「先輩」もかわいらしいと思っちゃうのはどうなんでしょう。
恋に思い悩んだ末の脳内会議も笑った。高尚なフリをしてるくせに嫌味が感じられないのは、抜けたことしかやってないからかな。いやはや、恋をすると人って変わりますね。


天然で愛らしい「彼女」やその「彼女」を追っかけ続ける「先輩」を始め、不思議な糸でも繋がっているかのような登場人物たち。彼らを探しに京都へと行きたくなってきましたよ。大変オモチロイ物語でした。ああ、こんないい本と今後も出会えるように祈っておかなければなりませんね。なむなむ!


森見登美彦さんの作品感想


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