えむえむっ!

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ギャグ⑥癒し③恋愛①
松野秋鳴えむえむっ! (MF文庫J)メディアファクトリー,2007


表紙イラストと中表紙の対比がいいです。中学時代に美少女・嵐子に顔をひっぱたかれて、思わずドMな自分の性質に気づいてしまった太郎の物語。ものすごく快感だったらしく叫んじゃったりするほど。変態だろこいつ。
姉の静香や母の智子はそんな太郎のことが大好きなので、隙あらば太郎の布団にもぐりこんでこようとしたり、やたら母の日を強調したり。太郎を巡って度々戦闘を繰り広げます。弟とか息子相手になにやってるんでしょうね。もちのろんで、太郎の父親も変態です。太郎の家族も変態さんでした。


太郎は真性の変態さんなのですが、体質を改善したいと考え、願いを叶えてくれるという第二ボランティア部を訪ねます。そこには美少女の美緒先輩と太郎のMっ気を目覚めさせた嵐子がいるわけで。
美緒先輩も第一印象とは違いものすごい暴力的。Sっ気がありますよね、きっと。しかも、自分を神の化身だと思い込んでいたり、かな〜り痛い人です。変態に違いない。
嵐子は男性恐怖症で、男に体を触れられると無意識に殴り飛ばしてしまう女の子です。この娘もちょっと変な子ですね。
太郎の親友である辰吉も、ちょい悪くらいの普通の人に見えて、やはりどこか狂っています。特に覚醒してからの活躍には目を見張るものがあります。隠れだけどド級の変態だ。
体育教師であり担任の中山先生は、遅刻した生徒にプロテインを口の中に突っ込んでもおかしくないほど、筋肉を愛しています。変態聖職者です。
保健室のみちる先生は、美緒先輩にメイド服、チャイナ、チア、スーツなどを着せたりした挙句、写真にとって秘密を握っています。ふ、普通じゃねえ。変態に認定します。
ちなみに太郎がバイトしているコンビニの店長は生粋のアニメオタク。社会の屑と断定してもいいでしょう。変態に間違いありません。


こんなそうそうたる変態さんたちが巻き起こすコメディなんですが、物語の要所要所ではグッと来る場面もあります。そういうところは、ほのぼのできていい感じ。きっちりしていて魅力が増しています。太郎も変態にくせにいいとこあるじゃないか。変態という評価を変える気持ちは微塵もないけど。


まあでもやはり、この物語の持ち味は序盤のハイテンションな変態っぷりなんですがね。なんか違った世界が見えてきます。美緒先輩に罵られていると、太郎だけじゃなく私も変な気分になってきそうです。このテンションは他ではなかなか味わえませんよ。
ちなみに私が一番好きなのは猫の話。涙目になりながら過去の体験を話す美緒先輩……うへへ……十匹ぐらいの猫に襲われてもみちゃくちゃにされてしまったらしい……はぁはぁ……しかもそのころの美緒先輩は幼女たん……はぁはぁはぁはぁはぁはぁ………………。変態だ。


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