シゴフミ②

シゴフミ②  Amazon
癒し⑤泣ける③恋愛②
雨宮諒シゴフミ〈2〉Stories of Last Letter (電撃文庫)メディアワークス,2007


死んだ人からの手紙を配達する少女・文伽とその相棒の杖・マヤマを描いた連作短編集ニ作目。アニメ化も決定されたらしいです。


英雄になる瞬間」現在は緊張感を持たずに仕事をしている消防士・進の話。ダラダラしているところへ、妹を助けてくださいとのシゴフミが届きます。なんつかこの小さなお兄ちゃんの手紙だけで、既に泣けてしまいましたよ。
既に亡くなっているお兄ちゃんの手紙の内容によって、進は妹を火事から救出し有名人になります。で、段々と有頂天になっていってしまい、職場の仲間ともギクシャクした関係になってしまいます。
進を嗜める上司の学や先のお兄ちゃんの姿が眩しいなと思いました。どんな人間でも、ある瞬間には英雄になっていることがあるかも知れません。英雄になるときって、人によって色々な形があるんでしょうね。
青い空、白い猫。」猫であるカムイが御主人様である加奈子にシゴフミを出す話。文伽がカムイの手紙を仕舞おうとするところにはニヤニヤ。これまでの文伽の冷静さが、どこかにぶっ飛んでますよ。
今回は文伽ではなくマヤマがメインとなっているのですが、マヤマとカムイの非人間同士のズレた会話が楽しいです。”……半人前がここにもいたな”は笑った。
加奈子とカムイの対面はいいな。口で多くは語らず背中で語るカムイがかっこいいです。猫背だけどさ。
キューピッド」みんなの恋のキューピッド役をしている女子高生・愛の話。ひょんなことから知り合った園芸部員の彰一に、自分でも知らず知らずのうちに好意を寄せていく愛がほほえましいです。
でも、彰一に想いを寄せる少女・真帆が愛にキューピッド役を頼むところから、物語は動き始めます。これも涙腺にくるものがありますね〜。つか直撃。やられました。


雨宮諒さんの作品感想