化物語㊦

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ギャグ⑤萌え③燃える②
西尾維新化物語(下) (講談社BOX)講談社,2006


阿良々木が関わる怪異の話を描いた物語の下巻です。第四話「なでこスネイク」と第五話「つばさキャット」が収録されています。
第四話「なでこスネイク」かつての妹の同級生・撫子ちゃんと蛇の話。
前回登場した駿河がさらに素敵な性格になっています。性に開放的というかエロキャラと言うか。第四話に限って言えば、ひたぎの毒舌よりも駿河のエロ志向が目立っていると思います。
こんな欲求不満なキャラだったとは……はじけ過ぎですよ。それが笑えるんですけどー。「レディとして当然の嗜みだ」「いや、変態も同然の企みだ」とか言葉遊びがうますぎ。
阿良々木の呼び方を決めるのだけでも笑えてきます。『駆け抜ける迅雷の騎士』暦とかラギとか一体どんなセンスしてるのやら。まあ笑いのセンスはあるんかな。
でも、普通に呼ばれるなら撫子ちゃんの暦お兄ちゃんがベストだと思うんですけどね。……蛇足ですか。


撫子に憑いた蛇にまつわる話がメインになってくるんですが、撫子は人見知りはするけども笑い上戸だったり下半身にブルマーだけの裸体を晒したりも。かわいいふりしてなで子わりとやるもんだねと思いました。
前巻に引き続き登場している委員長の羽川もなかなか。卒業後の進路の話にはびっくりしたし、「あと一秒って感じだった?」というセリフには、ひたぎというものがありながらも惚れそうになった。
この話の終わり方は、なかなか苦いものがあるなー。痛みを伴いつつも、阿良々木は階段を一つ上った感じでしょうか。濃い目の苦味がある点で、この話は好きです。


第五話「つばさキャット」聖人君子のような委員長である羽川と猫の話。
第四話では影の薄かったひたぎが復活しますが、ほっぺたにつけたご飯はパックってして欲しかったな。でも、デートの申し込みかたが抜群にかわええのでよし。蕩れー。
しかし始まるのは地獄のデート。初デートで蛇の生殺しのような仕打ちとはやりますねー。猫撫声のひたぎほど怖いものはないですよ。さらに、駿河に対するひたぎの態度も素晴らしい。でも阿良々木を連れて行った場所にはほのぼのした。さすがツンデレちゃんだ。


羽川が怪異に悩まされるんですが、猫に憑かれてしまうのでやはり猫耳が登場。そして羽川は、猫を被るのではなく猫耳を被ることで、黒羽川へと変身します。いつもの羽川とは違うギャップを味わうことができますよ。
それにしても、黒化する女の子は巨乳な子が多いように思うのは、私だけでしょうか。もしかしたら、大きな胸に黒いものを溜め込んでいるのかも知れませんね。女体の神秘です。
閑話休題。八九寺との会話で「虹色町の奇跡」が出てきたのは懐かしかった。私も百円玉を何枚も投入しましたよ、ええ。
八九寺とは私もしゃべってみたいです。小学生の女の子だからとか小っちゃいって事は便利だねっとかでは断じてないですよ〜。猫に小判で海獺に貧乳。ないちちの魅力は私にはまだ分かりません。……いつか分かるってことか?


さて、主要登場人物が総登場する終盤は熱かったです。終わりに向けてのまとめかたも、そしてオチもよかったです。
この物語はとにかく会話が魅力的だったな。もっと阿良々木たちの会話を読みたいとも思いますが、続編を希望するのは藪蛇というものでしょうか。


西尾維新さんの作品感想