DEATH NOTE アナザーノート

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ミステリ⑥ギャグ④
西尾維新DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件集英社,2006


西尾さんによるデスノートのノベライズ。小畑さんのカラーイラストも、最初に一枚あります。三人を殺したビヨンド・バースデイという犯人と対峙するL(後に竜崎とも名乗る)と南空ナオミの話です。
FBIを休職中の身のナオミの元に、Lから捜査協力の要請がきます。その奇妙な事件は、どれも密室で壁に藁人形が打ちつけられており、被害者に関連性は見当たらず、家中の指紋をふき取っていられているというもの。後にロサンゼルス連続殺人事件と呼ばれます。


ナオミが指示に従って現場を調べていく展開だったのですが、途中で竜崎が現れるからおかしなことに。そして、ナオミのかわいさの本領が発揮されることになります。
あの独特の座り方だとか床に這い蹲っての捜査だとかイチゴジャムを瓶一本飲み干してしまうだとか、竜崎の奇行はとどまるところをしりません。
そんなことやっているから、ナオミには「どうして自殺しないのか不思議なくらいの変態」「女児のパンツと戯れる変質者」と評価されちゃいます。妥当な判断だと思いますけどね。


赤ずきんチャチャが暗号に関係あるなんて思わなかったな。謎もしっかりしていて、推理していく過程はパズルみたいな楽しさがあります。気の緩む笑いの場面で伏線を仕込んでくる手口は相変わらずすごいと思う。
だから推理小説としても十二分に面白かったのですが、デスノキャラの壊れ具合がなんと言っても楽しいです。「愛と勇気と希望でホリーアップしてました」なんて言葉をナオミから聞けるとは予想してませんでした。
殺人的な甘さを持った毒とか、信号を守らなかったりとか、推理力がアップする座り方とか、腹筋を踏みつけられたりとか……もう竜崎とナオミの会話が笑えて仕方ありませんでしたよ。


西尾維新さんの作品感想


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