燃える⑧コミカル②
海原零銀盤カレイドスコープ〈vol.8〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)集英社,2006


フィギュアスケーター・タズサの活躍を描いたシリーズ八巻目。
表紙のリアもカラーイラストで披露されているタズサのミニスカサンタ姿もどちらもええなー。
前巻の宣言を実行するために、タズサは自分をさらに高めようとします。これまでの蜜月を吹っ飛ばす覚悟で立ち向かう勇気はすごい。でも、甘えがあったからなのか、想像以上のプレッシャーに苛まれます。
この精神的な脆さは一・二巻を思い出しますよ。あの時とは違い立場は確立しているものの、あの時よりも強烈なプレッシャーを受けていると思う。マイヤに言いつけられたアホみたいなトレーニングで得た自信が、一瞬にして消えてしまいますし。
心強いマイヤが傍にいるとはいえ、ピートのようにリング上までは助けられないもんな〜。緊張との戦いでもうぼろぼろ。ここまで追い込まれたタズサは初めてのように思う。
それにしても、何かの道を極める人ってのは憧れますね。ちょっといいポジションでとどまらない、飽くなき向上心が私も欲しい。まあ、欲しい欲しいとは言うものの、今までほどほどを目指してきたから無理でしょう。
きっと私の見てる世界とは全然違うんだろうな。「理論の超越による非論理に耐え続けなければならない」なんて言葉も出るくらいだし。パーティなど子供たちとのふれあってる和んでるタズサは、アスリートではなく普通な人な感じがするんだけども。
そんなわけで、緊迫したシーンが続くので合間合間に出てくるスケート雑誌のインタビューがテンポよくて面白いです。タズサのとんでもマネージャーが仕掛けてきたお迎えも楽しかったな。さすがやり手なだけあってただでは負けません。
なにはともあれ、オリンピックは開幕されます。まとめに入ってるので懐かしのキャラも登場します。当たり前だけど、最終勝負の行方は次回に持ち越し。どうなるんだこれ……。
同著者作品感想