癒し⑤コミカル④恋愛①
野島けんじ鳥は鳥であるために〈3〉 (MF文庫J)メディアファクトリー,2005


世間から冷たい視線で見られる呪受者の世界を描くシリーズ三作目。
気持ちよく仲間に迎え入れようとするクラスメイトに、刺々しい言葉を投げつける転校生・唐穂を取り巻く物語が、呪受者の志郎を兄にもつ菓の視点をメインに進んでいきます。
菓の体当たりっぷりに何かと目がいってしまいました。唐穂の心を開こうと自分の信念に従いがんばったり、たてロールのお嬢・美沙にもわかって欲しいと願うだけでなくちゃんと行動もできる菓を、見習わないといけないかもと思った。今まではあまり見えてこなかったけど、本当に芯の強い子なんですね。
激辛寿司での間接キスしたい発言など、ちょっとつっつかれるとうろたえてしまう志郎と小鳩ちゃんの初々しい感じがかわいらしいったらありゃしない。お茶飲むシーンもよかったな。相変わらずイラストは好みだし多いしよかった。
今回は夕香さんの介入っぽい部分が垣間見えたりと、小鳩の兄探しという大きな物語も着々と進んでおり楽しみ。丁寧に展開されてきたこのシリーズも次の巻で終わりのようですが、どうやってまとめてくるのかな。
シリーズ全体を通して、唐穂の服装とかメイドさんなどのベタな笑いというかくすぐりの使い方がうまいです。最後の集合の写真もグッジョブ。ぼそっと出た小鳩ちゃんの言葉にいい傾向が見られましたよ。
最後に宣言しておきたいのはデブニャンについて。超触りてぇ〜。
同著者作品感想