野良仕事にせいをだす主人公って……シリアスxバトル


貴子潤一郎煉獄のエスクード(2) The Song Remains The Same (富士見ファンタジア文庫)富士見書房,2005


魔族がこちらの世界に渡ってこないようにゲートをふさごうとする、エスクードの活躍を描いた作品第二弾。主人公の薫がパンクな格好をしているギーエンのサポートの元、フィンランドのとある村に潜入することになる話。なぜか野良仕事を手伝うことになったり。絶対に出てくると思っていたレイニーさんが出てこないよ〜。
どこか排他的な村を舞台に、ちょっと抜けてるアイリスという少女や嫌味な金持ち、怪しげなとなり町の医者などと出会うことになります。誰が魔族か分からない状況での潜入捜査ってのが面白い。徐々に捜査を進めるうちに、前巻とは少し切り口の違う世界観を味わうことができました。
アイリスがいいキャラだな。薫に秘密の呪文をかける場面が、なんだか艶っぽくて。直接ではなく間接キスってのもツボを抑えられてる感じがします。短いシーンなんだけど、初めのほうにあったから余計印象に残っちゃうのですよ。
また、レイニーさんが出てこない代わりに、豪胆な女魔術師・クラウディアが絡んできます。このクラウディアに薫はからかわれちゃうんだけど、そこをさらにギーエンの妄想力が爆発したりも。一巻と少し違った楽しさを持った今回ですが、シリーズ通してギーエンが最後の良心のようにも思います。下手するとどこまでも暗くなっちゃう話ですからね。
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